大型大気レーダー「PANSY」(2024年12月号)

約1000本のアンテナが広大なエリアに設置され、南極上空の風の動きを観測しています。

 最近地球温暖化という言葉をよくニュースで聞きますが、地球が暖かくなる理由を知るためには多くのことを調べなければなりません。南極の上空の風の動きを南極で一番大きなレーダーで測るのが「PANSYレーダー」です。

 PANSYは1045本ものたくさんのアンテナを持つ大きなレーダーで、甲子園球場くらいの大きさに広がっています。大気の乱れによってわずかにはね返されて戻ってきた弱い電波を多くのアンテナでつかまえることで、地上100kmを越える高さまでの大気の動き、つまり「風」を測ることができます。さらにオーロラの出る500kmまでの高さの大気の密度や動きを調べることもできます。

 みなさんが大人になるころには、天気予報がもっと当たりやすくなったり、地球温暖化を弱めるためのヒントを教えてくれたりするのが南極のPANSYレーダーです。

1つのアンテナは高さが3m以上あり、ブリザードの強風でも壊れない頑丈なアンテナです。

(第65次南極地域観測隊 重点研究観測 田村 厳)
掲載協力/国立極地研究所

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