越冬隊は、観測を継続することに加え、昭和基地の灯を絶やさないという大きなミッションを抱えています。70年近くに渡って観測を続けることによって得られたデータは、さまざまな研究の基礎データとなり、これらが新発見に繋がったり、気候変動の将来予測に役立ったりします。南極では30か国が基地を構え、互いに協力しながら大陸全域で観測を行っています。もし昭和基地がなければ、半径約1000kmに渡るエリアのデータを取得することができず、南極全体の自然を理解することが難しくなります。
私たちは、1年間観測を継続しつつ基地の設備を維持してきました。隊員が笑顔を絶やさず、互いに助け合い、越冬を無事に終えて65次隊にバトンを繋ぐことができ、ほっとしています。
南極観測はこれからも続きます。みなさんの中から観測隊員になる人が現れると素敵ですね。ぜひお待ちしています。
(第64次南極地域観測隊 越冬隊長 樋口和生)
掲載協力/国立極地研究所