第7回を読んでくださったみなさんはご存知かもしれませんが、今年の3月23日、南極の昭和基地の空一面に美しいオーロラが現れました。
オーロラは、北極や南極で見られる大気の発光現象です。その源は、地球の周りの宇宙にある電気を持った粒子、つまり、電子や陽子です。これらの粒子が宇宙から極域に降り込み、大気とぶつかって高さ約100~500kmの大気が光る現象がオーロラです。
高さ100kmより上は宇宙と呼ばれるので、オーロラは地球と宇宙の境界に現れる現象といえるでしょう。したがって、オーロラを詳しく調べると、地球が宇宙とどのようにつながっているかを知ることができるのです。
オーロラを宇宙から見ると、北極や南極の周りに輪っか状に広がっています。そのサイズは南極大陸よりも大きく、私達が地上から見ることができるのは、この巨大な輪のごく一部です。
この光の輪は、ときにゆっくり、ときに激しく形や明るさを変えますが、これは地球の周りの宇宙環境が時々刻々と変化していることを表しているのです。
(第64次南極地域観測隊 越冬隊 重点研究観測担当 田中 良昌)
掲載協力/国立極地研究所