南極の夏が始まる11月、アデリーペンギンが海氷上を一列に移動する姿が見られるようになります。昭和基地周辺には営巣地(ルッカリー)が点在しており、ペンギンが子育てのために集まってくるのです。観測隊では、毎年10か所以上のルッカリーを訪れ、ペンギンの個体数と巣の数を調査し、その変化を観察しています。
昭和基地から離れた南極半島では、近年個体数が減っていて、温暖化の影響と考えられていますが、昭和基地周辺ではどうでしょうか?
2022年11月中旬から12月初旬にかけて、11か所のルッカリーで調査を行いました。個体数は100~2500羽、巣の数は60~1500個とルッカリーごとにさまざまでしたが、過去のデータと比較し、ここ数年で大きな変化は見られませんでした。
(第63次南極地域観測隊 医療担当 澤 友歌)
掲載協力/国立極地研究所