南極の上空は、太陽からの有害な紫外線を吸収するオゾン層に穴があいているような状態になっていて、これを「オゾンホール」と呼んでいます。
1982 年に、昭和基地でオゾン全量がそれまでと比較して減少していることを観測し、これがオゾンホールの発見につながりました。
現在も、昭和基地では、オゾン層の状況を把握するためにオゾン全量の観測を行っています。観測する装置は精密なもので、強い風が吹くときには、装置を取り外して屋内に保管し、風が弱まるとまた外に出して取り付けます。
昭和基地では、雪と一緒に強い風が吹くことがしばしばあり、これをブリザードと呼んでいます。他の気象観測装置も、ブリザードが来る前に屋内に入れたり、頻繁に点検をしたりしながら、きびしい自然環境の中で工夫して観測を続けています。
(第63次南極地域観測隊 定常観測・気象担当 朝原 信長)
掲載協力/国立極地研究所