オーロラは北極や南極でよく見られる自然現象で、昭和基地はオーロラを観測するのに絶好の場所です。太陽から不規則に太陽風
と呼ばれる電気を帯びたガスが噴出
されて、その太陽風によって地球を取り巻く磁場
に沿って電流が流れます。その電流を構成する電子が、大気に高速で衝突
して発光し、この光がオーロラになります。
北極と南極にはそれぞれ磁石のS極とN極があり、地球を取りまくように宇宙空間に広がる磁力線
で結ばれています。この地磁気
によって地球は太陽風から守られていますが、その代わりに大きな電流が流れます。
その電流は、地上から高さ約60~1000kmにある電離圏
で大気と衝突し、主に約100~500kmの高度でオーロラが現れます。特に磁気嵐と呼ばれる活発な太陽風が発生したときに現れたオーロラは、緑色や赤色の光が、激しく満天の星空を駆け巡ります。南極でその様子を初めて見たときは、優雅
かつ壮大
な自然現象に心を奪われました。
(第63次南極地域観測隊 モニタリング観測担当 田村芳隆)
掲載協力/国立極地研究所