天然物の利用、化学的な合成の両方を取り入れています
食品添加物は、食べ物をおいしくするために、いろいろな目的に使われる成分です。添加物にはきれいな色をつける着色料、おいしそうな風味を持たせる香料、ハムを鮮やかな色にする発色剤など、いくつもの種類があります。その中には化学的な方法を使ったものと、天然物を利用して分解や抽出をしたものがあります。
食品添加物は、どのような成分がどういった目的で使われるかが重要です。こんにゃくをつくるために必要な凝固剤は、昔は草を燃やした灰でした。でも今は化学的につくられた消石灰を使っています。酸化防止剤のビタミンCはアスコルビン酸とも呼ばれ、化学的な方法でつくられます。
リンゴの切り口は、時間がたつと空気中の酸素と反応して茶色くなります。でも、切り口にレモン汁を塗っておくと変色しません。これはレモン汁に含まれるビタミンCが酸化を防止しているからです。
このように、食品添加物は天然物を利用する方法、化学的な合成をする方法を複数取り入れてつくられているのです。
(佐倉美穂)
図 レモン果汁に含まれるビタミンCと、
酸化防止剤として使われるアスコルビン酸は同じ物質である。
なお、アスコルビン酸は有機化合物の一種で、工場で合成される。