レコードの溝の凸凹が針を振動させるから
レコードはポリ塩化ビニール製の円盤に細い溝を掘ったものです。この溝は、外周から始まって内周まで1本につながっています。溝を拡大してみるとV字型になっていて、表面が凸凹しています。ここに、工業用ダイヤモンドなどでできた硬いレコード針を置いて、レコードを回転させると、凸凹によって針が振動します。この振動をコイルと磁石を使って電流として取り出し、増幅してスピーカーから音を出します。
レコードの溝の凸凹は、音の振動がそのまま記録されたものです。音を再生するときは、レコードを回転させます。回転数は、最も普及しているLPレコードで、1分間に33回転と決まっています。正確には3分で100回転させているので、1分間に33と3分の1回転します。この他に毎分45回転のレコードもあります。
回っているレコードに置いた針に耳を近づけると小さな音で鳴っているのがわかります。20世紀半ばごろまでは、電気を使わずにゼンマイでレコードを回転させ、針の振動を大きなラッパで共鳴させて聞いていました。
(白鳥 敬)
図 レコードの溝の凸凹を針の振動に変え、振動を磁石とコイルで電流に変換し、
電子回路で増幅することで、音が再生される。