放射線は何種類と数えられるものではありません
放射線とは、高速で飛んでゆく素粒子(陽子や中性子など)や、高いエネルギーを持った電磁波をまとめて指す言葉です。素粒子には多くの種類があり、いくつかの素粒子がかたまりになった放射線もあります。電磁波もエネルギーによってさまざまな呼び方をされます。このため、放射線は何種類あると数えられるものではありません。
代表的な放射線としては、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線、X(エックス)線、中性子線などがあります。α線は、大きな原子核から陽子2つと中性子2つのかたまりが高速で飛び出したものです。β線は、やはり原子核から高速で飛び出した電子のことを指します。γ線やX線は、原子核から放出される電磁波の一種です。
α線は物質の中を通り抜けていく力は弱いのですが、当たったものを壊す力は強いです。一方、X線はいろいろな物質を通り抜けてしまう性質があるので、体の内部深くまで撮影できるレントゲン写真などに使われています。
(佐藤健太郎)
図 原子核には、自然に放射線を放出して別の原子核に変わっていくものがある。
原子核から出る放射線には、α線、β線、γ線などがある。