半導体でできたスイッチがたくさん入っています
ICチップは、クレジットカードをはじめ、パソコンやゲーム機の中に入っている集積回路です。集積回路というのは、縦横数mmから数cm、厚さ数mmの基台の上に多くのトランジスターが並んだものです。1つのICチップの中に、多いものでは数十億個ものトランジスターが入っています。トランジスターは半導体でできたスイッチの役割をする電子部品で、電流のオンオフができます。
私たちは、10個の数字で数を表す10進法で計算していますが、ICチップは0と1の2つの数字を使って2進法で計算します。0と1しか使わないので、1個のトランジスターでオフ(0)とオン(1)を切り替えるだけで計算できるのです。
ICチップをつくるときは、フォトマスクと呼ばれるガラスの透明な薄い板に回路を作成して、それをシリコンウエハーという薄い基板の上に写真の原理で縮小して焼きつけます。次に回路以外の部分を薬品で洗い落として、ICチップに回路を作成します。この回路に電力や信号をやりとりする接点を取りつければICチップの出来上がりです。
(白鳥 敬)
図 ICチップ。この中に数多くのトランジスターが入っている。