どうして空気中には窒素の割合が多いのですか?

大気中の二酸化炭素や水蒸気が減っていったため

現在の地球の大気は、窒素が約78%、酸素が約21%、その他の成分が約1%含まれています。しかし、地球ができたころの大気は、今より何十倍も気圧が高く、主成分は二酸化炭素であり、酸素はごくわずかだったと考えられています。
やがて地球が冷えてくると、水蒸気は水となって海ができました。そして二酸化炭素は海に溶けて石灰岩となり、海底へ沈みます。また、光合成を行う生物が増えてきて、二酸化炭素を吸い込んで酸素を放出しました。このため、二酸化炭素は現在の大気にはごくわずかしか含まれません。
窒素は、地球のもとになった隕石などに含まれていた成分からできたとみられます。窒素はとても安定した気体で、一度できてしまうとほとんど変化しません。このため、大気中の窒素の量は、地球ができたころからほとんど変わっていないと考えられています。長い間に、二酸化炭素や水蒸気などの成分が大気から減っていったため、ずっと変化しなかった窒素が、いつしか一番多い成分になってしまったわけです。
(佐藤健太郎)

 現在の地球の大気の割合。

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