回転する羽で浮かぶ力をつくり出しているから
ヘリコプター(以下「ヘリ」)のことを回転翼機ともいいます。この名前からもわかる通り、ヘリの羽は回転していますが、飛行機の主翼と同じ働きをしています。飛行機の主翼は、飛行機が前進することで風を受けて揚力(浮かぶ力)を生み出します。これに対し、ヘリは、自分で羽を回転させることで風を当てて揚力を生み出します。そのため、空中に停止した状態でも浮かんでいることができるのです。
飛行機の主翼の断面を見ると、前に近いところが上に少しふくらんでいます。そのため、風が当たると、主翼の上側の空気の流れが、ふくらみのない下側よりも速くなります。速い空気の流れは翼の表面を押す力が弱くなるので、主翼は下から上に押し上げられます。これが飛行機を空に浮かばせる力になります。ヘリの羽も、飛行機の主翼と同じ断面形をしています。
この他に、空気を下方に送るときの反作用も働きます。この2つの力によって、ヘリは空に浮かぶのです。なお、ヘリの羽は、4枚の他に2枚、3枚、5枚など、いろいろなタイプがあります。
(白鳥 敬)
図 ヘリコプターの羽の断面の形は、飛行機の主翼と同じ。
エンジンで回転翼を回転させることで、空気を当てて揚力を得る。