なんでうるう秒があるんですか?

原子時が天文時から大きくずれないようにするため

今から約50年前までは、地球の自転を基にした時刻(天文時)が使われており、1日を基に1秒の長さを決めていました。しかし、科学・技術の進歩により、地球の自転は一定ではないことがわかりました。その一方でこのころ、原子に共鳴する電磁波の周波数が極めて安定しており、この電磁波の波の数を数えて時計とする「原子時計」が開発されました。そして1967年、原子時計を基にした時間で1秒の長さを決め、この1秒を積み重ねて時を刻む「原子時」を使うことにし、太陽の方角と時刻は一致しないものになりました。
しかし、人間の生活は太陽と密接であるため天文時と原子時が大きくずれることを嫌い、1972年に原子時と天文時の差が±0.9秒以内になるように原子時を1秒単位で調整することにしました。この1秒が「うるう秒」です。うるう秒調整は世界の標準時である協定世界時の12月31日、または、6月30日の最後(日本標準時では翌日午前9時の直前)に世界で一斉に行われます。最近では2017年1月1日に「8時59分60秒」といううるう秒が挿入されました。
(情報通信研究機構(NICT))

写真 前回(2017年1月1日)のうるう秒挿入の瞬間の時刻表示。
「8:59:60」という通常はない時刻が表示された。
(画像提供/情報通信研究機構(NICT))

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