速く移動すると時間の進み方が遅くなるから
SF映画などで、宇宙船で旅して帰ってきたら地球のみんなは年を取っていた、なんていうまるで浦島太郎のような話があります。この不思議な現象は、アインシュタインの相対性理論である「速く移動するほど、止まっているものより時間の進み方が遅くなる」ことによるものです。
もし光の速度の99.5%の速さで移動できたら、止まっている場合より10倍も時間が遅く進む計算です。例えば12歳のあなたがそのスピードの超高速宇宙船に乗って出発し、宇宙船の時計の5年後に戻ってくるとします。でもその時計は地球より10倍遅く進むので、地球では50年が経っていて、あなたは17歳でも友達は何と62歳になっているのです。
この時間の遅れは現実に起きています。カーナビゲーションなどで正確な位置がわかるのはGPS衛星のおかげですが、GPS衛星は時速約1万4000kmという高速で移動するので、地球の時計より毎日100万分の7秒遅くなり、そのための補正が行われています。
(室井恭子)
図 光速の99.5%の速さの宇宙船に乗って出発し、
宇宙旅行から帰ってくると地球上では約10倍の時間が経過している。
これを浦島太郎の昔話になぞらえて、「ウラシマ効果」と呼ぶ。