部屋の熱を冷媒に乗せて外に出している
気体は圧力をかけると液体に変わり、圧力を下げると気体に戻る性質があります。このとき気体は、圧力をかけると温度が上がり、膨張して気体になると温度が下がります。エアコンはこの原理を利用して部屋を冷たくしています。
図を見てください。エアコンには、冷風を噴き出す室内機と外に設置する室外機があります。熱を運ぶ物質を冷媒といい、エアコンでは環境に配慮したフロンガスが使われています。室外機には冷媒を圧縮する機能があります。室内機からやってきた冷媒を圧縮して液体にして、発生する熱をファンを使って戸外に放出します。その後、冷媒は室内機に送られ、そこで冷媒を膨張させて気体に変換し温度を下げます。
このようにして温度の下がった冷媒を熱交換器に流し、ファンを回して冷たい風を部屋に吹き出します。同時に室内機の上部から吸い込んだ暖かい空気の熱は、冷媒に吸収されて室外機に向かいます。
このサイクルを繰り返して、エアコンは室内の熱を外に運び出しているのです。
(白鳥 敬)
図 エアコンのしくみ。
①から④を繰り返すことで、部屋の熱を外に運び出している。