電波に乗せて送られてくる時刻情報を受信しています
電波時計が受信している時刻は日本標準時(JST)といい、日本の時刻の基準となるものです。これは、東京都小金井市にある情報通信研究機構(NICT)の原子時計を基にして決められた正確な時刻です。
電波は、福島県のおおたかどや山標準電波送信所と、福岡県と佐賀県の境にあるはがね山標準電波送信所から送信されています。使用しているのは、長波と呼ばれる、テレビ放送の電波よりもおよそ1万倍も長い波長を持つ電波です。この他に非常時に標準時が止まることのないように神戸に原子時計を持つ代替局が設置されており、今年6月から運用が開始されています。
送信所から発射される電波には、秒を表す信号とタイムコードという時刻情報が乗せられています。タイムコードには、分、時、通算日、年、曜日、うるう秒の情報の他、受信時の間違いを訂正するコード、停波予告情報、予備情報の項目があります。電波時計は、この電波を電波時計に内蔵されたアンテナで受信し、時刻情報を取り出して表示します。
(白鳥 敬)
図 福島と福岡・佐賀の2つの送信所で日本全土をカバーできる。
電波時計はこの電波を受けて時刻を合わせている。