陽子と中性子の数とバランスによって変わります
原子核は、プラスの電気を帯びた陽子と、電荷を持たない中性子からできています。陽子だけではプラス同士で反発し、原子核が壊れてしまいますが、中性子がそれを取り持っています。陽子の数が同じで、中性子の数が違う原子を「同位体」と呼んでいます。同じ元素でも同位体によって安定さが違うので、「安定元素」ではなく「安定同位体」と呼ぶのが普通です。
陽子と中性子のバランスが悪い原子核は、不安定です。例えば、陽子6個の炭素の場合、中性子が6個か7個の同位体は安定です。中性子8個の同位体だと不安定になり、放射線を出して安定な原子核に変化します。
また、原子核に含まれる陽子と中性子の数があまりに多いと、膨らませすぎた風船のように不安定になります。安定に存在できる限界は、陽子82個と中性子126個の鉛の原子核です。これ以上大きいと、放射線を出して壊れてしまいます。大きすぎず、バランスのよい原子核は安定同位体、そうでないものが不安定な同位体ということになります。
(佐藤健太郎)
図 大きすぎる原子核は、放射線を出して壊れる。