水や空気を温めると膨張するのはなぜ?

熱エネルギーによって、物質の粒の動きが大きくなるから

物質は、原子や分子という小さい粒が集まってできています。その粒の動き方で、固体、液体、気体というように物質の状態が変わります。固体は、粒同士を結ぶ力が強く、規則正しく並んでいて、小さく振動しています。液体は、粒が自由に動き回っている状態です。気体は、粒がとても激しく飛び跳ねています。粒の動きを変化させる力を熱エネルギーといいます。
物質を温めると、熱エネルギーが高くなり、粒がさらに動くようになります。固体の粒は振動が強くなり、液体の粒はより大きく動くようになります。気体の粒はより激しく飛び跳ねるようになります。熱エネルギーによってさらに動くようになった粒は、お互いにぶつかり合って、粒同士の間隔が広がります。こうして物質の体積が増えるのです。このことを熱膨張と呼びます。
例えば、つぶれたピンポン球をお湯で温めると、中の空気が膨張して元の丸い形に戻ります。この現象も熱膨張によるものといえるでしょう。
(佐倉美穂)


物質を温めて熱エネルギーを与えると、物質を構成する粒の動きが大きくなる。粒の動きは、固体→液体→気体の順番で大きくなり、同じ順番で体積も増える。

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