船は重いのに、どうして浮かぶの?

水から大きな浮力を受けるため

プールやお風呂に入ると、体が軽く感じられるよね。これは体が、水から上向きの力を受けているため。この力が「浮力」で、浮かんでいる船を支えているんだ。
浮力の大きさは、物体の水中にある部分が押しのけた水の重さと同じ。例えば1Lのペットボトルを全部沈めると、約1kgの力が上向きにはたらく。このしくみは、発見した古代ギリシャのアルキメデスにちなんで、「アルキメデスの原理」と呼ばれているよ。船は鉄製でも木製でも、大きく膨らんだ船体の中は空洞で、たくさんの水を押しのけて大きな浮力を発生させているんだ。何万tもある船では何万?もの水を押しのけて、重さを支えるための大きな浮力を生み出している。だから船体に穴があいて水が入ると、浮力が失われて船は沈んでしまうんだ。
浮力は他の液体や空気などの気体でも発生する。原理は同じで、押しのけた空気の重さと同じ大きさの力が上向きにはたらくんだ。
(山村紳一郎)


船の重さ(重力)と押しのけた水の重さ(浮力)が釣り合うことで、船は浮かんでいる。

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