磁石の力で情報を記録しています
銀行のキャッシュカードなどには黒か茶色の帯がついていますね。これは磁気ストライプといって、ここに磁性体が塗ってあります。
磁性体とは、鉄などでできた目に見えないような小さな粉末で、磁石を近づけると向きがそろいます。磁気ストライプに電磁石でつくった磁力をあてて、磁性体に磁力の向きの違う部分をいくつもつくって、数字や文字を記録します。
磁石にはN極とS極がありますが、このNとSの向きの違いで1と0を区別します。1と0の組み合わせで数字や文字を表すことができます。
磁気カードにはいくつかの規格がありますが、クレジットカードは最大40文字、銀行のキャッシュカードは、最大72文字の英数字が記録できます。
銀行のキャッシュカードを使う場合、磁気カードは次のように働きます。カードには使用者を識別する記号(ID)が記録されていて、ATMに挿入すると、ネットを通して銀行のコンピューターにIDが送られます。次に、コンピューターはこのIDに関係づけられたパスワードが入力されたことを確認して、お金を出してもいいという指令を出しているのです。
(白鳥 敬)
図 磁気カードのしくみ
磁気ストライプに磁気の方向の違う部分をつくることで、
数字と英語の文字を記録している。