のりが紙の繊維のすき間に入りこんで乾くことでくっつける
のりは主に紙を接着するときに使います。なぜくっつくのかを考えてみましょう。のりを塗って貼り合わせた直後は紙をはがすことができますね。でも、しばらくたつと、はがすことができなくなります。これはのりが乾燥して固まったからです。
ごはんを食べたあと、お茶碗にご飯粒がついたまま洗わないでおくと、ご飯粒がかちかちに固まって、とれにくくなったという経験はありませんか? これは、柔らかかったご飯粒が乾燥し、お茶碗の表面にぴったりくっついたからです。
のりは昔、お米からつくりました。現在は、タピオカのデンプンなどが使われています。
紙は細かな繊維状のものでできていて、表面に小さな凹凸がたくさんあります。のりをつけると、凹凸の間に入りこみ、もう1枚の紙の凹凸との間にしみわたります。のりが乾くと、2枚の紙の凹凸がしっかりかみあって動かなくなります。こうしてのりは、紙をくっつけることができるのです。
のりには、植物のデンプンのほか、石油を原料とした化学物質を使ったものもありますが、くっつくしくみはどちらも同じです。
(白鳥 敬)
紙の表面の凹凸にのりが入りこみ、乾燥して固まることで接着する。