光の量が減って色の差がわかりにくくなるから
太陽や電灯などの光にはさまざまな色の光が含まれるが、ここでは赤、緑、青という光の3原色に絞って、わかりやすく説明しよう。
ものの色が見えるのは、ものからはね返る光に「色のかたより」があるためだ。例えば全体で10の光がリンゴに当たっているとき、リンゴからはね返る光に含まれる色が赤8:緑1:青1だと、ほぼ赤に見える。はね返る赤、緑、青が同じ量なら白く見えるし、光がはね返らなければ赤0:緑0:青0で黒く見える。
影ができるのは、当たっている光が何かに遮られたときだから、影の中は日なたより届いている光が少ない。日なたには10、影には5の光が当たっているとすると、先ほどのリンゴからはね返って目に届く光は、赤4:緑0.5:青0.5になる。全体が赤0:緑0:青0の黒に近づく上、赤と他の2色の差が光の強さが10のときの半分の3.5になる。つまり色の差が小さくなるんだ。
実は黒や白は色ではなく明るさの度合いを表している。暗いと黒っぽいと感じ、明るいと白っぽいと感じる。全体が暗くなると色の差がわかりにくくなり、影の中にあるものは黒っぽく感じるというわけだ。
(山村紳一郎)