なぜ冷たいドライアイスでやけどをするの?

血液の流れが低下して凍傷になるため

ドライアイスで起きるのは、実は火傷ではなく、凍傷という。どちらも細胞が壊れて体の組織が傷つくので、症状は似ているが、症状につながるしくみが少し違う。
私たちの体は周囲の温度が下がると命を守るため、体内の熱を逃がさないように血液の流れを低下させる。皮膚にある血管が収縮して、冷たくなった血液が体の内側に戻らないようにするわけ。その上、低温では血液が粘って、血行が悪くなる。でも、細胞は血液が回らないと活動を続けられないから、冷たいものに長時間触れているとその部分の細胞が死んでしまう(図)。さらに、ドライアイス(約-79℃)のように極端に低温だと、細胞が凍り水分が膨らんで細胞が壊れる。冷凍したお刺身がぐにゃぐにゃになるのとよく似ている。こうして起きるのが凍傷で、しもやけなどとは違って重症だと元に戻らなくなることもある。ドライアイスなどを扱うときは充分に注意しよう。
(山村紳一郎)

ドライアイスによる凍傷のしくみ

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