原料や製法はほぼ同じ。加工が少し異なる
トイレには「詰まりの原因になるので、ティッシュを流さないように」という注意書きがよくあります。ティッシュとトイレットペーパーは何が違うのでしょうか?
ティッシュもトイレットペーパーもパルプという木材からつくられた原料を使用しており、大まかなつくり方は同じです。パルプには、マツやスギなど針葉樹からなるN材と、ユーカリやブナなど広葉樹からなるL材の2種類があります。N材が多いほど丈夫で固くなり、L材が多いほど柔らかくなります。ティッシュもトイレットペーパーも、この2種類を混ぜてつくられます。
しかし、ティッシュとトイレットペーパーにはそれぞれ役割があるので、役割に応じた工夫が必要です。前者には「鼻をかんだときやちょっとした水などを拭き取るときに破れにくいこと」、後者には「トイレを詰まらせないよう水でほぐれやすいこと」が求められます。そこで、ティッシュには、水に濡れても破れにくくする特別な材料をパルプに混ぜ、パルプ繊維を化学的に結合させ、濡れても破れにくくします。トイレットペーパーでは、水にほぐれやすくするため、そういった材料は使いません。水に入れて混ぜるとほぐれ、スムースに流せるようにしています。
(大王製紙株式会社)