空気の渦によって発生した音が、口の中で響いて鳴る
口笛を吹くときはまず、口をすぼめますね。すぼめた口から息を吹き出すと、空気の渦ができます。この空気の渦によって音の種ができるのですが、これだけでは口笛になりません。この音の種が口の中で響いて大きくなり口笛の音になります。
音が出ないという人は、まず、舌の先を下の歯の裏につけ、口をすぼめてそっと息を吹き出してみましょう。次に、舌を動かして、口の中の空洞の大きさを変えてみてください。舌を奥へ引っ込めて口の中を広げると低い音が、舌を上あごの方に近づけて口の中を狭くすると高い音が出ます。低い音を出すときは、ゆっくりと息を出します。寒いときに、息で手を温めるようなイメージです。高い音を出すときは、細くて速い息を出します。なお、唇が乾いているとうまく音が出ません。
(福井大学工学部准教授 森 幹男)
口笛研究に使われている模型
口笛は太古の昔から吹かれていたといわれているが、
科学のメスはあまり入っておらず「古くて新しい」研究テーマだ。
写真は実験に使われている模型。