雲にたまった電気を地面に逃がしている
避雷針は、建物の屋上からさらに高く突き出すように設置されます。高いところの方が雲に近いので、避雷針に雷が落ちやすくなります。その結果、避雷針の周辺では地上に雷が落ちにくくなります。
避雷針は電気を通しやすい金属でできています。落雷した雷の電気は、そこから導線を通って、地面に埋めてある銅などの金属棒の電極に向けて流れていきます(図1)。このようにして、避雷針に落ちた雷の電気は、地面に逃がされるのです。
ただし、避雷針で守られる範囲は、下方60°くらいに限られます。ですから、ゴロゴロという音が聞こえてきたら、はやめに建物の中に避難するようにしましょう。外にいる場合は、木など高い物の近くには近づかないようにしましょう。
通常、避雷針の先は針のようにとがっていますが、最近では、針をいくつもつけて、落雷が起こる前に少しずつ放電させ、落雷を減らすタイプの避雷針も登場しています。
(白鳥 敬)
図1 避雷針のしくみ