空腹時にお腹が鳴るのはどうして?

空腹時に起きる強い腸収縮によって誘発される

お腹が空いたとき、グーと大きな音がすることがあります。これを腹鳴といいますが、どうして鳴るのでしょうか?
実は、私たちの腸は常にグルグルやゴロゴロといった音を発しており、聴診器を使えばいつでも聞き取ることができます。腸は常に消化管運動をしていますが、胃腸内のガスや内容物が前進するとき、この腸雑音と呼ばれる音が出るのです。ただし、本人にも他人にもあまり聞こえません。腹鳴は腸雑音が大きくなった音のことです。
空腹時には、胃から大腸まで、15~20分間持続するかなり強い収縮が断続的に発生します。このときに腹鳴が誘発されます。この強い腸収縮は空腹時収縮と呼ばれるもので、次の食事に備えて腸内を掃除し、腸内細菌の過剰増殖を防ぐ重要な収縮だと考えられています。
空腹時の腹鳴は、腸が活動している健康なサインといえます。一方、空腹でないときでも腹鳴が聞こえる場合や逆に聴診器を使っても腸雑音が聞こえないという場合は、腸に異常があることを示唆します。腸閉塞という重症な病気の可能性がありますので、医師に相談する必要があります。
腸雑音は消化管運動が正常か異常かを正しく教えてくれるサインなのです。
(防衛医科大学校教授 西田育弘)

お腹のことについてもっと知りたい人にオススメ!

 連載《人体MAPS》 第3話「胃と腸」では、なぜお腹がグーっとなるのかの他、「胃や腸はなんのためにあるのか?」「なんでウンチは逆流しないのか?」 などお腹のヒミツがわかります!

最新号好評発売中!

子供の科学 2024年 12月号

CTR IMG