表面に微細な穴があり、インクを吸うから
直したそばから書き込める修正テープ。とても便利ですが、実はかなり複雑な構造としくみをしています。
修正テープは粘着層、修正膜、ベーステープの3つの層からできています。粘着層は修正膜を紙にくっつける役割をします。厚みは約1μmで、セロハンテープに使うような粘着剤です。修正膜の原料は修正液に近く、白色顔料(酸化チタン)と樹脂(顔料を固める役割)、活性剤(インクを染み込みやすくする役割)などからできています。ベーステープには薄いプラスチックフィルムなどが使われています。修正膜はとても薄く柔らかいので、ベーステープにのせています。
修正テープを紙に当てて引くと、のりのついた白い修正膜が紙にくっつき、 修正したいところをカバーしてくれますね。そして、すぐに上から再筆記することができます。修正膜の上に書くことができるのは、表面に微細な穴があるからです。間違って書いたものを隠す役割をする酸化チタンは金属酸化物なので、そのままではインクを吸いません。ですから、樹脂・活性剤・溶剤の作用で、穴のある構造に仕上がるように工夫しているのです。
また、修正テープを紙に当てて引くと修正膜とベーステープが引っ張られ、内部のリールが回ります。この力で歯車を回して使用済みのベーステープを巻き取ります。使うときの力を利用して用済みのテープを巻き取ることで、快適に使うことができるのです。
(株式会社トンボ鉛筆 広報宣伝室)
図1 修正テープのおおまかな製造工程