なぜカメムシはくさいにおいを出すの?

身を守ったり、コミュニケーションをとったりするため

カメムシはつかまれたりすると、幼虫では腹部の背中側から、成虫では後ろ足の付け根から油状の液体を出す。この液体がくさいにおいの元となっているんだ。
においの1番大切な役割は自分の身を守ること。においの元となる物質はくさいだけでなく生き物によっては毒にもなるので、カメムシは敵が襲ってくるとこの液体を出して撃退する。
また、このにおいは仲間同士のコミュニケーションにも使われている。群れで暮らすカメムシの中には、1頭がにおいを出すと、他のカメムシがばらばらと逃げ出す習性を持つ種類がいる。においが「敵が来た!」という合図になっているわけだ。おもしろいことに、においが薄まると逆に「集合!」という合図になって、仲間が集まってくる場合もある。
ところで、ひとまとめに「くさい」といわれるカメムシだけど、においの強さや性質は種類によって違う。東南アジアでは、水中に棲むカメムシのタガメが果物のような香りがするので食用になっているよ。
(農業生物資源研究所 神村 学)

写真はオオクモヘリカメムシ。
このカメムシの出すにおいはかなり強烈だが、果物っぽいにおいにも感じられる。

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