色鉛筆はどうして消えないの?

色のかたまりが紙の表面の奥に入り込むから

色鉛筆がどうして消えないのか、普通の鉛筆(黒芯)が消える理由と比べて考えてみましょう。
図を見てください。上は普通の鉛筆で書いたときの紙の表面の断面です。黒い粒が紙の表面にパラパラと乗っています。消しゴムでこすれば、表面の粒を簡単に取り去ることができます。一方、下は色鉛筆で書いた場合です。色のかたまりが紙の表面より奥に入り込んでいるのがわかりますね。消しゴムでこすると、色のかたまりの表面は取れますが、紙の奥に入った色のかたまりは取れません。少し色が薄くなるけれど、全部消えないのはこのためです。
この違いは、芯の性質の違いによるものです。黒芯は、黒鉛と粘土を練り合わせて焼き固めたものです。紙にこすりつけると芯の先が破壊されて、細かい黒鉛の粒になります。一方、色鉛筆の芯は、顔料と呼ばれる色の粉やロウソクの原料のワックスなどを練り合わせて乾燥させたもの。紙にこすりつけると、べたっと色が紙の奥にまで入り込むのです。
(株式会社トンボ鉛筆 広報室)

図 紙の表面の断面図

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