電波(電磁波)を使って水分子を温めている
すべての物質は原子・分子が集まってできており、普通、その原子・分子は細かく振動している。実は、私たちが温度と呼んでいるのは、この原子・分子の「振動」の度合いのこと。熱エネルギーが物質に伝わると、原子・分子の振動が激しくなって、温度が上がる。だから何かの温度を上げるには、原子・分子の振動を強めればいいということになる。
そこで電子レンジでは、電気で発生させた電波(電磁波)を食べ物に当て、中に含まれる「水の分子」を電波のエネルギーで振動させて温度を上げているんだ。その熱が水から他の部分に伝わるので、食べ物が温まるというしくみだ。
電子レンジで使う電磁波は周波数が2450MHz(1秒間に24億5千万回繰り返す波)で、この周波数は水に吸収されやすく、また水分子をよく振動させることができる。ただし、水が含まれていないと電波が吸収されないので、水分のないものは温まらないんだ。
(山村紳一郎)
図 電子レンジの構造