イヌは色が見えるの?

青色と赤色の組み合わせでできる色は見分けられる

イヌでも人間でも、ものを見るときには、まず網膜にある視細胞が光を感じ、わずかな電気信号を発します。この電気信号が視神経を通って脳に到達することで、ものを見ることができます。視細胞には、桿体細胞と錐体細胞という2種類があります。
桿体細胞は少しの光でも感じることができるため暗い場所でも役立ちますが、1種類しかないので色は認識できません。暗いと色が見にくいのはこのためです。
一方、明るい場所では錐体細胞が役立ちます。人間の場合、錐体細胞には3種類あり、それぞれ主に赤、緑、青の光を感じることができます。人間はこの3色の組み合わせによってできるカラフルな世界を見ています。
イヌの場合、錐体細胞は2種類で、主に赤と青の光を感じます。そのため、人間に比べて緑が見えづらく、色のバリエーションは少なくなりますが、赤と青の組み合わせでできている色は見分けることができるのです。
(東京動物眼科醫院 小林義崇)


図 視覚のしくみ。網膜にある桿体細胞と錐体細胞。

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