流れてはいけないところに電気が流れるから
電気を使った機械は流れるべきところに適切に電気を流し、流れてはいけないところは絶縁されていなければいけません。水道水や雨水、池や川の水などは多少でも電気を通します。これは水の中に溶け込んでいるミネラルや不純物が、電気を流す助けをしているからです。電子機器に水がつくと、電子回路の流れてはいけないところに電気が流れてしまい、正常な動作ができなくなるのです。
水がついてしまったことにより起こるトラブルを図にまとめました。例えば、電池などのバッテリーの+と-が直接つながってしまうと、ショート回路となり電気が流れすぎて、バッテリー自体が壊れてしまうことがあります。また、バッテリー内部に水が染み込み、電気をつくり出す化学反応に影響し、正常な電気を供給することができなくなる場合もあります。その他、ショートにより半導体などの部品が壊れ元に戻らなくなったり、部品端子や接続部分が酸化、腐食し、電気が流れなくなることもあります。
乾いて使えるように見えても、正常で安定した動作は保証されません。危険な場合もありますので、販売店やメーカーに相談しましょう。
(伊藤尚未)
図 LEDを点灯させるだけのシンプルな回路でも、水に濡れるとこれだけのトラブルが起こる。