ミツバチはミツがある花をどうやって探しているの?

紫外線が見えることで、花の模様までわかる

ミツバチは、花が持っているミツや花粉を食べて生きています。だから、生きていくためには、エサのある花を探さなければなりません。遠くから花を探すときに、ミツバチが頼りにしているのは、まず花の色です。

ミツバチも色が見えていることが、次の実験でわかっています。色のついた紙の上に砂糖水の入った皿を置いて、ミツバチに吸わせました。次に、同じ色の紙と灰色の紙を並べました。すると、ミツバチは色のついた紙の方に飛んでいったのです。つまり、エサのところの色を覚えていて、エサのあるなしを色で判断したのです。

ただ、ミツバチの色の見え方は、人とは少し違っています。人の場合、青、緑、黄色、オレンジ、赤などを見分けることができます。中でも赤、青、緑は光の三原色といわれる重要な色です。しかし、ミツバチには赤色がわからないのです。その代わりミツバチは、人が見ることのできない紫外線を見分けることができます。

人には見えない紫外線を記録した写真で見ると、紫外線の部分が見えるミツバチからは、人にはわからない花の模様までがはっきりと見えていることがわかるでしょう。これによりミツバチは、エサになるミツや花粉のある場所、つまり花を正確に探し当てているのです。

(福岡教育大学 理科教育講座(生物分野) 福原達人)

右側がミツバチが見ている紫外線を記録した花の写真。
花の模様、真ん中のミツや花粉のある場所がくっきり見えるのがわかる。

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