冷蔵庫のニワトリの卵は温めてもかえらないのはなぜ?

冷蔵庫にあった卵が無精卵だったから

ニワトリの卵には、無精卵と有精卵があります。無精卵とはメスのニワトリ(雌鳥)だけで産んだ卵です。一方、有精卵とは、雌鳥と雄鶏が協力して産まれた卵です。有精卵の場合は、雌鳥の羽の下で卵が温められてからおよそ21日目に、ヒヨコが殻を破って生まれてきます。雌鳥が温めなくても38℃の温度で温めてやるとヒヨコが誕生します(人工孵化)。

家庭の冷蔵庫に入れてある卵は、ほとんどが無精卵です。無精卵はいくら温めてもヒヨコは生まれてきません。

どのように有精卵ができるかについては、ニワトリたちの習性を知る必要があります。雌鳥と雄鶏を一緒に飼っていると、交尾という行動がみられます。交尾という行動が終わると、雌鳥は自分の体の中に雄鶏から精子を受け取ります。雌鳥の中に入った精子は、雌鳥の体内にある卵黄の表面にある胚というところを目指します。これは卵を割ったときに黄身に見られる白い小さな点の箇所です。ここに精子がたどり着くと、有精卵が出来上がります。

無精卵はこのような交尾行動をせずに生まれてくる卵なのです。

岡本 新(鹿児島大学)

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