地球の自転と太陽の動きに関係がある
皆さんは海外旅行をしたことはありますか? 何時間も飛行機に乗ったのに、着いた時刻は日本を出発したときよりも前だったという経験はありませんか? また、サッカーなどのスポーツ中継で、日本では夜なのにテレビの向こう側では昼間が写っていることがありますよね。このように地域によって違う時刻の差のことを「時差」といいます。
なぜ時差ができるのでしょう? 日本から見て地球の裏側にある国、ブラジルを想像してみましょう。もし今、日本が昼だったら、ブラジルでは昼でしょうか? 夜でしょうか? 正解は夜です。地球の片方に太陽の光が当たっていて明るいとき、反対側は暗い夜なのです。太陽の光が当たっている地域はどんどん西へ移動していくので、日本から西へ向かうと早いほうへ時刻が戻っていきます。ブラジルの首都ブラジリアは日本から西へ地球を半周した位置にあるので、日本よりも半日(12時間)早い時刻を使っています。地球を半周すると、つまり経度が180度違うと時刻が12時間ずれるということは、180÷12=15、経度が15度違うと1時間ずれることになります。
?例えばハワイでは日本から西へ285度ずれた19時間早い時間帯を使っています。もし日本がお昼の12時だったら、ハワイでは前日の17時ですね。さらに西へ行くともっと早い時間帯になりますが、1日(24時間)以上ずれないように、日付を元に戻す地点が決められています。この境界線を日付変更線といいます。ちなみに日付変更線のすぐ西側にある国が世界で一番時刻が早い場所で、キリバスが最も時刻が早く進んでいる国です。また、東西に180度にもわたって広がるロシアでは9つもの時間帯を使っています。一方で、中国のように東西に60度広がっていても1つの時間帯しか使っていない国もあります。日本は離島も含めると東西に約30度だけの広がりなので、中間にある兵庫県明石市(東経135度)を基準とした時刻1つだけを使っています。
地球は丸いので、太陽が当たる面はいつも片方だけ。もう片方は暗い。日本では朝ご飯を食べているときに、ブラジルの人は晩御飯を食べている。
(室井恭子)