うず巻くガスやチリから地球が誕生した
地球が回り続けているのは、何かが地球を回しているからでしょうか? 実はそうではありません。地球を止めようとするものがないから、地球は回り続けているのです。例えば、机の上で「こま」を回すと、だんだん遅くなって最後には止まってしまいますよね。なぜなら机との間に摩擦が起きて、こまを止めようとするからです。もし、こまの先端が机に触っていない状態で、完全に摩擦がなかったらずーっと回り続けます。それが地球なのです。地球は何もない宇宙空間にあるので、地球の回転を止めようとする摩擦が起きず、ずっと回り続けることができるのです。
では地球はなぜ回り始めたのでしょうか? それは、約46億年もの昔、うず巻くガスやチリの雲の中から地球は誕生したからです。地球自身の回転(自転といいます)と地球が太陽の周りを回る公転は、そのときからずっと続いているのです。地球も他の惑星もみんな同じ方向で太陽の周りを回っているのは、回転する同じ雲の中から誕生したためなんですよ。
なぜ地球が動いていることを私たちは感じないのでしょうか。実は、地球の赤道上にいる人は、地球の回転と一緒に時速約1700kmもの速さで移動しているのですが、それでも体感することはできません。例えば、車に乗っているときは、道路の上を走っているのでガタガタと振動しますし、窓から顔を出せば風が当たりますね。でも、地球は何もない宇宙空間の中を移動しているので振動しませんし、人間も周りの空気も地球の回転と一緒に同じスピードで動いているので、時速1700kmという風が当たることもないのです。地球が動いていることを実感するのは難しいので、昔の人は長い間、地球は止まっていて、周りの空が動いていると考えていました。
回転するガスやチリの雲の中から地球や惑星が誕生した。
室井恭子