ミカンの皮をむくと出てくる白いひもは何ですか?

白い筋は果実を大きくするために水や養分を送る維管束

ミカンの皮をむいて食べる際、じっくりと果実の構造を見たことがあるでしょうか?

最も外側にあるのが、外果皮(フラベド)。色素を含んでいるので、成熟すると独特の色を示します。その内側の内壁にある白いスポンジ状の部分が中果皮(アルベド)です。我々が食べる1つ1つの房は、じょうのう(砂じょうを包む内袋)と呼ばれ、その中身が砂じょう(水分の多いツブツブのところ。砂のうとも呼ぶ)です。

さて、オレンジやグレープフルーツなどで皮をむくと見える白いスポンジ状の部分は、上記の中果皮(アルベド)にあたります。ミカンは、この中果皮層があまり発達せず筋状で白いひものように見えるのです。

また、中果皮の白い筋の部分が維管束です。維管束は、葉や土から吸収した栄養分や肥料、水分をみかんに補給する大切な通路の働きをしています。それぞれの維管束はヘタを通じて葉や根までつながっています。

丸尾 達 (千葉大学園芸学部 准教授)

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