温度0℃とは何が基準になっているんですか?

水の凍る温度を『0℃』と決めた

ひとくちに温度というが、温度を測る基準には実はいろいろな種類ある。僕たちがふだん使っているのは、日本語では「摂氏」正しくは「セルシウス度」という単位。スウェーデンの天文学者 アンデルス・セルシウス(1711~44年)が1742年に考えた基準をもとに、後に改良されたものだ。他の温度の単位と間違えないように、記号「°」のあとにセルシウスの頭文字「C」をつけて「℃」と書く。

セルシウスはもともと、水が凍る温度を100度、沸騰する温度を0度として、その間を100等分した目盛りを高低温へと伸ばした。でも、これだと温度が高い方が数字が小さいので使いにくい。そこでこれを逆にして、水が凍るのが0度、沸騰するのが100度と決め直された。だから温度0℃は「普通の状態(1気圧)で水が氷になる温度」が基準なんだ。

なお、セルシウス度の他には、欧米でよく使われているフォーレンハイト度(華氏:記号は「°F」)や、物理学の世界で使われる絶対温度(正しくは熱力学的温度:記号「K」ケルビン)が有名だ。フォーレンハイト度は、観測される最低の気温を0度、血液の温度を100度としたもの。絶対温度は、科学的にあり得る最低の温度を0としたものだ。

山村 紳一郎 (サイエンスライター)

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