地球の自転が雲の集合体に回転運動を与えます。
くわしいことはまだ研究中です。
台風が発生するのは、南の海面水温が27℃以上の暖かい海の上です。これは、熱帯や亜熱帯地方の海の上です。この方面では、強い太陽の日射しによって暖められた海面から水蒸気が盛んに発生し、どんどん上昇気流にのって上へ昇り、上空で冷やされて雲の粒となります。こうしてできた、たくさんの雲粒の集合体の全てが台風になるわけではありません。むしろ台風にならない方が圧倒的に多いのです。この雲がどうして回転運動をして台風に発達するのでしょうか。
台風が発生するのは、およそ北緯5度から10度付近の中部太平洋から西太平洋にかけての地域です。この地域は、北半球の亜熱帯高気圧から吹き出す北東の貿易風と、南半球の亜熱帯高気圧から赤道を越えて吹いてくる南東貿易風がぶつかるようにして一年中集まっていて、熱帯収束帯と呼ばれています(図参照)。ここではたくさんの積雲や積乱雲という対流性の雲が発生し、となりあった積乱雲の集合体ができますが、大半は1日で消滅してしまいます。残った雲の集合体の中で、地球の自転の影響で回転運動を始めたものが台風のたまご(熱帯低気圧など)となります。台風のたまごは次々発生しますが、全てが台風に発達するわけではなく、回転運動にのって勢いづいて、域内の最大風速が17.2m/s以上(風力8以上)で、北西太平洋にあるものが台風となるのです。
このあたりのメカニズムは、本当のところまだよくわかっていません。 現在まだ研究中なのです。
戸山 九(気象予報士)