本物のピアノの音をデジタル化してチップに入れてある
グランドピアノなどの普通のピアノは、中に金属の弦が張ってあって、鍵盤を押したときに連動して動くハンマーで弦を叩いて音を出しています。しかし、電子ピアノには弦がありません。ではどうして音を出しているかというと、ピアノの音をデジタル化してチップに収めた「音源」というものを使っているのです。
音源の元になっているのは、普通のピアノの音です。何種類ものピアノの音を録音して、デジタル化したデータが収納してあって、キーが押されると、そのキーに対応した音程の音を取り出して、デジタルデータをアナログの音のデータに変換して、スピーカーから出しています。
電子ピアノは、音源がデジタル化されていますから、ソフトウェアによって音色を加工することができます。キーを押したときの微妙なタッチ、つまり押したときの力の大きさ、押す速さ、押している時間などをセンサーで読み取り、押し方にあった音に加工して音を出しています。
キーを押すと、音源からデジタルデータを取り出す(1)。
キーを押したときの微妙なタッチをもとにソフトウェアで加工する(2)。
デジタルデータをアナログデータに変換してスピーカーから音を出す(3)。
音源チップに入っているデジタルデータは数字が並んでいるだけ(A)。
キー操作に合わせて対応する音を取り出す(B)。
キーを押したときの微妙なタッチを再現する(C)。
白鳥 敬(サイエンスライター)