表面のすき間でくさびの働きをするという説と分子どうしがくっつくという説がある
瞬間接着剤には、シアノアクリレートという化合物が用いられています。この物質は、空気中の水分にふれると、一瞬のうちに連鎖的に結合して固まるという性質をもっています。容器の中では液体の状態なのですが、空気中の水分にふれると、分子どうしがパッパッといっきに手をつないでしまうのです。
では、接着剤が固まるとなぜ物と物がくっつくのでしょうか。これにはいくつかの説があります。ひとつはアンカー効果です。ふたつの物体をくっつけるとき、それぞれの表面にあるわずかなすきまに接着剤がしみこんで、くさびをうちこんだようにがっちりと接着するという説です。
もうひとつの説は分子間力によって接着するという説です。分子と分子は、すぐ近くまで近づけると、分子間力という強い力で引き合います。この力によって、接着するという説です。
アンカー効果(上)と分子間力(下)
接合面を電子顕微鏡で見たくらいに大きく拡大した図です。
アンカー効果説では、材料の細かな隙間に接着剤が入って固まります。
分子間力説では、材料・接着剤・材料の間の分子が引き合って固まります。
接合面を電子顕微鏡で見たくらいに大きく拡大した図です。
アンカー効果説では、材料の細かな隙間に接着剤が入って固まります。
分子間力説では、材料・接着剤・材料の間の分子が引き合って固まります。
白鳥 敬(サイエンスライター)