積乱雲の雲域と期間がちがう
局地豪雨の雲は水平方向に数km~数十km程度広がる積乱雲で、台風は積乱雲からなる規模の大きな渦巻状の雲域です。 衛星写真1は2009年8月24日の東京世田谷局地豪雨のときのものですが、地図の縮尺から考えると、雲が発生しているのはたいへん狭い範囲です。東京23区の南側や東京湾から房総半島の一部にごつごつとした活発な積乱雲(雷雲)があり、世田谷区上用賀の雨量計で1時間に54mmの局地豪雨(総雨量も同じ)となりました。
一方、衛星写真2は2004年10月20日、台風23号のものですが、衛星写真1とは違い、全体の雲域が本州中部を中心に1000km以上も大きく広がっています。
局地豪雨の積乱雲は一般に単発的で、その活動の活発なときは1時間から数時間で終わりますが、海上から水蒸気の補給を受けて次々と積乱雲がつくられる台風は寿命が長く、平均で5.3日間、まれに2週間以上の長寿となるものもあります。
衛星写真1 2009年8月24日16時00分雲画像
世田谷区 上用賀1時間54mmの局地豪雨。
世田谷区 上用賀1時間54mmの局地豪雨。
衛星写真2 2004年10月20日19時00分
雲画像「台風23号」。
戸山 九(気象予報士)