二酸化炭素を一度液体にしてから凍らせる
二酸化炭素はふだんは気体ですが、強い圧力をかけると液体になります。この液体二酸化炭素を急激に空気中にふきださせると、いっきに圧力が下がって気体になり、すぐに凍って固体に変わります。固体になった二酸化炭素はざらざらの粒なので、これを押し固めてドライアイスにします。
ではなぜ二酸化炭素が凍ってしまうのか? 液体が気体に姿を変えるとき、周囲から熱を奪います(気化熱)。そのため二酸化炭素の温度はいっきに下がります。また、気体が周囲の空気の暖かさや冷たさの影響を受ける暇もないくらい急に膨張することによっても、気体の温度が下がります。この2つの作用によって、気体になった二酸化炭素の温度が急激に下がり固体に変化するのです。
こうしてつくられたドライアイスは、水と違って、固体から直接気体になるという不思議な性質があります(昇化)。ドライアイスの温度はおよそ?79℃と低いので溶けやすく、溶けて気体に変わるときに周囲の熱を奪って温度を下げるので、保冷剤として利用されているのです。
気体・液体・固体と姿を変えることを示したもの。
右へ行くほど温度が高く、上に行くほど圧力が大きくなる。
白鳥 敬(サイエンスライター)