星の明るさが変わっているわけではない空気の層の中で光が揺れて見えるため
私たちが住んでいる地面の上には、約10km以上の厚さの大気…つまり空気の層があり、星の光はその中を通って目に届きます。空気はほとんど透明ですが、温度が変化すると膨らんだり縮んだりして、密度が変わります。密度の違う空気の層があると、その境目で光が屈折して、わずかに折れ曲がるのです。水の中に光が射し込んだとき、折れ曲がるのと同じ現象です。
そして、空気の層が揺れ動くことで光の折れ曲がり方が変化し、星が見える向きもごくわずかに揺れ動きます。ちょうど、煮立っているなべの底が、ぐらぐら揺れて見えるのと同じしくみです。これが星がキラキラとまたたく原因で、星そのものの明るさが変化しているのではないのです。
山村 紳一郎 (サイエンスライター)