チョークの粉を黒板の表面からふき取る
「なぜ消えるか」の前に、「なぜ書けるか」を考えてみましょう。黒板に書くときは、チョークを使います。チョークは、カルシウムなどの粉をかためたもので、黒板にこすりつけると少しずつけずれて、もとの粉になります。この粉が黒板の表面にくっつくので、文字などが書けるのです。
ですから、チョークの粉を黒板の表面からふき取れば、消すことができます。やわらかい布でできている黒板消しでふくと、チョークの粉が黒板からとれて黒板消しにつきます。黒板の表面からチョークの粉がなくなるので、文字などが消える…というわけです。 なお、同じようなことが、えんぴつと紙でも起きています。えんぴつのしんが粉になり、紙をつくっているせんいの間にくっついて、黒い線になります。消しゴムは、しんの粉をくっつけて取るので、えんぴつの線が消えるのです。えんぴつで書いた紙を顕微鏡で見ると、写真のように、しんの粉が紙のせんいにくっついているようすが観察できます。
キラキラ光っている黒い砂のようなものが、
えんぴつのしんの粉です。
えんぴつのしんの粉です。
山村 紳一郎 (サイエンスライター)