氷が水に浮くのはなぜ?

氷のほうが比重が軽いから

氷が水に浮くのは、水は液体より凍った状態の方が軽いからです。密封容器に入れた水を冷凍庫に入れて凍らせ、膨れたり破裂したりなど変形させてしまったことはありませんか? それは凍ったときに体積が大きくなるからです。同じ重さで体積が違う場合、大きい体積の方が軽いということになります。その重さと体積の比較を比重といい、4℃の水の比重を1として考えます。氷の比重は0.92と水より小さい数字になります。

比重の基準である水の4℃という温度のとき、水は最も重く体積も小さくなります。冷えた水は重くなって沈み、4℃より冷えた水は軽くなり表面に浮いてきて、0℃になると凍ります。大抵の気体や液体は低い温度の物が重く下にたまるので、アイスを売るケースは上を開ける箱形になっており、フタを開けてもあまり冷気が逃げません。

実は固体になった方が比重が軽くなる物質は水だけです。他の物質は冷えて重くなった状態の物が集まる下の方から凍ります。冷えた水は表面から凍り、底の方は最も重い4℃の液体のままなので、海は表面を氷でカバーされてもその下で生命が息づき、進化したと考えられます。水が豊富にあるからこそ、地球には生命が誕生できたのです。

佐倉美穂(ライター)

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