台風は上空に入った寒気、海水温度の低下、陸上との摩擦で消える。
台風が消滅するには、温帯低気圧に変わる場合と、熱帯低気圧に変わる場合の2通りあります。
台風が熱帯から温帯地方に進むと、上空に寒気が入って勢力を失い、寒気と暖気の境である前線を伴う温帯低気圧に変わります。このとき、低気圧の中心付近の風速の峠は過ぎていますが、強い風の範囲は広がり、中心から遠い場所で大きな災害が起きたり、寒気と暖気の影響を受けて再発達し、さらに風雨が強まり災害が起こったりすることがあります。北に進んで海水の温度が下がり、エネルギーの供給が減ったり、上陸して陸上との摩擦が強まったりすることで弱まったときは、台風から熱帯低気圧に変わることがあります。ただしこの場合、最大風速が17m/s未満になっただけで、引き続き強い雨が降ることもあります。
台風が消滅する場所は、南シナ海や東シナ海を西進した場合は、大陸へ上陸後。日本付近では三陸沖や北海道東方海域へ進んだときが多くなります。
(気象予報士 戸山 九)