9月12日(木)、創刊から終戦までの『子供の科学』を読み返す、100周年記念書籍『子供の科学完全読本 1924−1945』が新発売!
現代の私たちだからできる、当時の未来予想を答え合わせ
関東大震災の翌年、1924年に創刊された月刊誌『子供の科学』。この雑誌の膨大なバックナンバーを終戦の年まで読み直し、この期間の面白い記事を解説付きでまとめなおした1冊。百年前の人々のリアルな夢や希望、意外と高かった科学知識、誌面を飾る精密な挿絵や図解などが見どころです。
中でも興味深いのが、各分野の未来予想。将来の都市の姿はこれだ! エネルギーはこうなる! などなど、当時の科学リテラシーで解説される100年後の世界、その予想が当たっているか否か、現代人の私たちならわかります。未来の交通の主役になると思われていた飛行船の存在、人類が月に行けるのは2050年と考えられていたことなど、予想が外れた記事を楽しめるのは現代人ならではの特権でしょう。もちろん、ズバリ的中された記事もたくさんあります!
近づく戦争と敗戦―戦前・戦中のリアルな空気感
1928年ごろから、誌面に戦争色が帯びていきます。忍び寄る足音がやがて現実のものとなり、1937年に中国との戦争が始まってからは、驚くほど本格的な軍事科学記事が展開されているのも見どころです。当時の小中学生に向けて、最新兵器と時局を真剣に解説している記事からは、読者を将来の優秀なエンジニアや軍人に育てたいと言う国策も垣間見られます。
やがてアメリカとも開戦。戦況は悪化していき、窮乏する世の中の様子が、手に取るように記録された記事はどれも胸が熱くなるものばかり。プロパガンダばかりと思われるかもしれませんが、実際に食料不足や日々の空襲に直面している子供達に向けて、役に立つ情報を届けようとしている編集部の姿勢も記録されています。
早期購入特典デジタルブックとオールカラーの電子版でスマホでも楽しい
印刷所を空襲で消失した1944年以降、数ヶ月刊行が途絶えますが、なんと終戦直後の11月号に復刊。12月号では原子爆弾の解説記事が掲載されているというしたたかさにも注目です! 本書の紙版には早期購入特典として、そんな1945年12月号が全ページ読めるデジタルブックのQRコードが付いてきます。
なお、本書の紙版の本編はモノクロですが、電子版はオールカラーです。いつの時代も最新のテクノロジーを伝えてきた『子供の科学』の21世紀の姿として、スマホの中でも読者の良い相棒でありたいという編集方針を受け取ってください!
【著者プロフィール】
小飼 弾(コガイ ダン)
投資家、プログラマー。株)オン・ザ・エッヂ(後のライブドア)の取締役最高技術責任者(CTO)を務め、同社の上場に貢献。著書に『小飼弾の「仕組み」進化論』(日本実業出版社)、『「中卒」でもわかる科学入門』『未来予測を嗤え! 』(いずれもKADOKAWA)など。ニコニコチャンネル「小飼弾の論弾」で、毎月2回、時事ニュース解説や科学・IT解説などをライブ配信中。
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