自分の好きなことをトコトン探究したい小中学生を応援する「小中学生トコトンチャレンジ2024」。「実物大巨大オリジナル折り紙を作る」チャレンジに挑戦中の採択者・鮫島直峻さんが、この夏休みに全長9mに及ぶ「アンキロサウルスの骨格」を手掛けました。その制作風景に、子供の科学編集部がお邪魔しました。
制作期間は、7月28日から8月4日の6日間。制作するのは、背中のトゲが特徴的で巨大な「アンキロサウルス」です。鮫島さんは、折り紙好きの仲間13名を集め、等身大の「アンキロサウルス」の制作に挑みました。頭部から首、胴体や背中のトゲなど、1つ1つのパーツは半日ずつかけて制作し、最終日の6日目に、全部のパーツを組み合わせることとなりました。
折り紙の試作品の制作にかかった時間は、およそ3ヶ月。まずは、15cm×15cmの市販の折り紙で、どのように折るかを試行錯誤を重ねました。その後、実際に制作するものより3分の1ほどの大きさで折ってみて、うまくいかない部分は、折り方を工夫しました。
例えば、首の部分。試作は4枚を連結させていたが、長くなってしまったため、蛇腹折りにして調節しました。この首の蛇腹折部分は、仲間たちも一番折り方を覚えることが難しく、苦戦した難所だったそうです。
肋骨にもひと工夫が。最初は2枚の折り紙を使って連立させようとしていました。しかし、2枚を繋げるためにホッチキスを使わないと、紙がてろんと落ちてきてしまうため、1枚の紙で折りきれるようにし、今の形に落ち着いたそう。
また、しっぽの先のハンマー部分も、はじめは四角くしていたそうですが、「カクカクしていてかっこ悪い」と家族からいわれ、丸い形になるよう折り方を再考したそうです。
取材に赴いた6日目、そういった試行錯誤の末にできあがったパーツを組み合わせる作業が行われました。鮫島さんはどのパーツをで木工用接着剤で貼り合わせるのか、完成に向けて仲間たちに指揮を取ります。
途中、折り紙完成後の記念写真を撮るときに被る、アンキロサウルスの頭部の被り物も制作しました。頭の後ろにはゴムがついていて、みんなの頭にフィットするような工夫も練られています。
組み合わせる作業が大詰めを迎えたところで、問題が発生。予想していた全長9mのサイズから、1m大きくなり、全長10mとなったのです。メジャーでサイズを測りながら、みんな驚きました。
実物大より少し大きめなサイズとなりましたが、無事にアンキロサウルスは完成! 後日、コミュニティふらっと成田(東京都杉並区)に展示されました。
今回、鮫島さんがアンキロサウンルスを題材に選んだのには、先人の巨大な折り紙を超えてみたいという想いからだったそう。
「2年生の夏の自由研究で全長3.5mのティラノサウルスの骨格を折ったので、本当の大きさくらいある恐竜を折りたいと思っていました。
SNSで芸大の方がかっこいいアンキロサウルスの骨格を折っているのを見て、折りたいと思い、折り図について問い合わせたが公開する予定がないとのことだったので、自分で折り方を考えてつくることにしました」
今後は、「フタバスズキリュウ」に挑戦する予定だそう。これからも鮫島さんがチャレンジする巨大折り紙に注目です。
文